用語集

5Gとは？

5G(第5世代移動通信システム)は、ロボット工学、人工知能、自動運転車、スマートホームや都市などのテクノロジーの変革を可能にする主要なテクノロジーです。

※この記事は概要であり、5Gワイヤレス機能、サポートインフラ、および関連する新しい技術に関する記事へのリンクを含んでいます。新しいテクノロジーと製品の融合は、産業と世界経済を変革する飛躍的な進歩を生み出し、すべての人に大きな影響を与えます。ロボット工学、人工知能、自動運転車、スマートホームやスマートシティなどのテクノロジーは、すべての人の生活に大きな影響を与え、5Gは、これらの変革のためのリードテクノロジーです。

あらゆるものが繋がる世界

4Gワイヤレスネットワークにより、携帯電話は電話から小型でフル機能のネットワークコンピュータへと進化しました。これにより、電子メール、ビデオストリーミング、何千ものスマートフォンアプリなど、数多くの利点が生まれました。4Gの性能制限と接続可能デバイス数の制限により、各接続デバイスのコストは比較的高く維持されています。

セルラーの次の進化である5Gは、4Gの多くの制約を克服した設計仕様になっています。また、5Gは将来の技術革新をサポートするように設計されています。5Gは、100%の信頼性で高性能なモバイルネットワークに継続的に接続される数百万台のデバイスを、コストを大幅に削減しつつサポートします。

5G設計の課題

トラフィックの増加 - ネットワークトラフィックは2020年までに1000倍に増加すると予想されています。
データ伝送レートの向上 - 5Gのデータ伝送レートは4Gの10倍から100倍になることが目標とされています。
ネットワークレイテンシ低減 - 5Gを想定した新しいアプリケーションのネットワークパケットレイテンシは1ミリ秒以下の応答が求められます。
膨大な数のデバイスに対応するコネクティビティ - 接続されるデバイスの密度が大幅に向上します。
コストとエネルギー消費の削減 - ネットワーク容量の増加によりコストを削減し、電力消費の削減によりバッテリー寿命を延ばし、デバイスに求められるハードウェア要件を抑えます。
Quality of Experience (QoE) - 上記を実装することで、全体的なユーザーエクスペリエンスと期待値が向上します。

補完技術として

5Gでは既存および新規の技術群が利用可能です。5Gと、5Gに相互接続される技術との組み合わせは、個々の構成要素の単純な総和を超える価値を生み出します。

5G関連技術

IoT - ネットワークに接続されたコンピュータ、センサー、デバイス、または「モノ」のニューウェーブです。IoTと5Gネットワークの組み合わせにより、このデバイス・カテゴリは、家庭、企業、都市、そして潜在的に「スマート」化されるあらゆる環境の自動化を最大限に引き出せる可能性があります。

ブロックチェーン - 通信、台帳、ストレージを安全にするための技術として急速に普及しています。IoTはBIoTとしてBlockchainと融合しています。ブロックチェーンは、「ネットワークはコンピュータである」という言葉を現実のものにするためのネットワークベースの技術です。

MEC とクラウドエッジ - クラウドコンピューティングはネットワークエッジ、つまりエンドユーザーやマシンにますます近づいてきています。多くのアプリケーションやサービスは、ネットワークのレイテンシーに敏感になりつつあります。コンピューティングリソースをエンドユーザーの近くに移動させることで、このレイテンシーを低減することができます。

AI/ML - 人工知能や機械学習は最先端の技術であり、常時接続の高速5Gネットワークと組み合わせて使用することで、マシン間のデータ共有や意思決定などの新たな機能を実現することができます。

先進的なエンドユーザー機器 - 新しいユーザー機器が登場しており、市場の専門家は、近い将来、一人当たり最大8個の装着型スマート機器を持つようになると考えています。これには、高度な人工知能を備え5G ネットワークに接続された、拡張現実システムやリストコンピューターなどが含まれます。

自律型マシン - 今日、自動運転の飛行機、列車、自動車がテストされています。自律型ドローンはすでに実用化されており、ロボティクスは進化し続けています。これらの技術のネットワーク要件には、5Gの設計要件に対応し、これらの技術を普遍化するための要件が含まれます。

今後のビジネスチャンス

数十億のユーザーとマシンをインターネットに接続する5Gネットワーク機能と新技術の組み合わせで、真につながった世界が訪れます。新しい市場が生まれ、人々のテクノロジーとの関わり方が劇的に変化するでしょう。インターネットはすでに私たちのコミュニケーションのあり方にこのような影響を与えていますが、5Gは次の技術革命をリードしています。

新しいビジネスモデル・市場
新しい産業
スマートシティ、スマートホーム、スマートエブリシング
教育・医療
製造業および建設業
輸送の自動化、交通管制
安全・防犯
行政サービス

5Gの技術目標

5G仕様では、ネットワークパフォーマンスやセキュリティパラメータ、デバイスの最小接続数、全体的なエネルギー要件などの一連の要件が定義されています。

5Gの設計要件には、ほぼ100%のアップタイムと高度に一貫したネットワークサービスの保証も規定されています。自動運転の車やトラック、医療サービス、トラフィックオーケストレーション、エネルギー電力網管理など、公共の安全に直接影響を与えるものは、5Gネットワークの完全性に依存しています。

下図は、4G LTEと5Gを比較したものです。

ビジネス要件

その他の設計要件は以下の通りです。

コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)機能 - モバイルキャリアのネットワークに組み込まれており、コンテンツをネットワークエッジにプッシュし、よりお客様に近いところで、より良いユーザーエクスペリエンスを提供します。
合法的傍受 - 法的に認められた法執行機関が、個々の加入者の個人的な通信を「傍受」することを可能にします。
マルチメディア放送/マルチキャストサービス - メディア配信とマルチクライアント放送のためのネットワーク技術の強化。
ロケーション/ポジショニング・サービス - 5Gクライアントとネットワークの地理的な位置情報(GPSテクノロジーによって提供されるものと同様)により、クライアント側での煩雑さと電力要件を軽減します。
公共安全通信、緊急通信、公的警告、緊急警報を提供します。

5Gのカバレッジの目標

屋内/スポット：1サイトあたりのカバー範囲が小さく、建物内では高いスループットと高密度を実現
密集した都市部：広いカバー範囲、高密度とトラフィック負荷
地方：人と機械が混在する低密度エリアで、長距離をカバーする最小限のサービス
極端な地方：原野や高速道路しかない地域などでの、広い範囲でのサービス
都市部のカバレッジで大量接続を実現：大型セルと膨大な数の接続デバイスへの継続的な可用性に注力
高速道路：高速道路を走行する車両に注力
コネクテッドカー向けアーバングリッド：都市部に配置された自動車の高密度配置をサポート

全体アーキテクチャにおける5Gの役割

5Gは、全体のアーキテクチャの中で、アクセスネットワークにあたります。非常に単純化した図を以下に示します。5Gは、クライアントデバイスとモバイルキャリアネットワークのエッジを接続します。

用語の定義

モノ(Things) - ｢モノ｣という用語は、ネットワークにアクセスするコンピューティングクライアントを表します。モノとは、人間が操作するエンドユーザークライアントと自律的にネットワーク接続するIoTデバイスがあります。

エッジ(Edge) - エッジは、クラウドエッジコンピューティングシステム(Cloudlet)、またはマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)システムを表します。これらのシステムは、モバイルキャリアの5Gアンテナの近くに配置されます。コンピューティング設備を無線アンテナと一緒に設置することで、エンドユーザーにより近い場所に設置することができます。

極めて低いネットワーク遅延を必要とするネットワークサービスが出現しています。クラウドサービスがエンドユーザーに近ければ近いほど、ネットワーク遅延は小さくなります。低遅延を必要とする例として、スマート道路や自動運転車のオーケストレーションシステムが挙げられます。自動運転車は、多くの場合、新しい5Gネットワークインフラを通じて、他の車と通信します。これらのシステムではリアルタイムの運転判断が必要であり、遠隔地にあるクラウドシステムではレイテンシーが致命的です。

クラウド(Cloud) - ここでのクラウド機能は、インターネット(またはプライベートWAN接続の可能性)を介してアクセスされる中央データセンター、ウェブアプリケーション、またはパブリッククラウドサービスを表します。

5Gモバイルキャリアネットワーク

モバイルネットワーク事業者は、コアネットワークインフラを5G技術やビジネス要件に対応した新世代の技術にアップグレードする必要があります。

5Gクライアント

5G無線技術は、新しいモバイルまたは固定ネットワークのエッジクライアントを実現します。携帯電話、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機、自動車、その他ヒューマンインターフェースを持つコンピューティングシステムを含みます。マシンクライアント IoTは、ネットワークに接続された新しいデバイスの主要な推進要因の1つです。5Gテクノロジーは、IoTテレメトリネットワークプロトコルを使用する膨大な数のIoTセンサーデバイスに対して、最小限のハードウェアフットプリントと低電力を必要とするように設計されています。

IoTテレメトリー技術に関する詳しい記事はこちらをご覧ください。

5G無線アクセスネットワーク(RAN)

5G 無線アクセスネットワーク(RAN)は、モバイルキャリアのセルラーインフラにおける進化形です。RANインフラには、基地局、基地局相互接続ネットワーク、モバイルキャリアのコア技術などが含まれます。RANテクノロジーについては、後のセクションで詳しく説明します。

5Gベースバンドユニット/コア

モバイルキャリアのインフラには、キャリアネットワークを支える独自の技術があります。BBU(ベースバンドユニット)で無線データを処理・管理する5Gコア技術に加え、キャリアビジネスシステムや加入者管理、無線ルーティング管理、ネットワーク・セキュリティシステム、各種ネットワークマネジメント・オーケストレーションシステムなどの幅広い機能群(5Gパケットコア)が含まれます。

5Gの技術には、以下のような仮想化技術を利用するためのアーキテクチャ上の要件があります。

NFV/VNF、SDNを含むソフトウェア仮想化
論理的なSoftware-Defined Networkを提供するネットワークスライシング
マルチテナント - 分離されたソフトウェア定義の仮想ネットワーク

MECクラウドエッジデータセンター

マルチアクセスクラウドエッジ(あるいはモバイルエッジコンピューティングとも呼ばれていた)は、電波塔の近くに配置された物理的なクラウドデータセンターのコロケーション施設です。これらのコロケーション施設は、エンドユーザーの近くにあるモバイルネットワークの無線アクセスネットワークに直接接続されています。遅延の影響を受けやすいアプリケーションサービスを提供するクラウドサービスプロバイダーは、エンドユーザーの近くでアプリケーションサービスを提供することにより、高性能かつ低遅延のサービスを提供することができます。

このような施設に対するサービスの例としては、以下のようなものがあります。

主要パブリッククラウドプロバイダー
大型インタラクティブゲームサービス
交通管理、ビデオ解析、公共安全などのスマートシティサービス
自律運転車

このクラウドエッジコロケーションは、現在、数万台規模の導入計画があります。

A10のソリューション

A10は、何百万もの同時セッションをリアルタイムで処理する高性能なネットワークおよびセキュリティシステム向けの製品を提供しています。A10のお客様には、世界最大のネットワーク通信事業者やクラウドサービスプロバイダーなどがあります。

同社の製品ポートフォリオは、ネットワークエッジコンピューティング、分散パケットコア処理、セントラルオフィスインフラからパブリッククラウドまで、エンドツーエンドのネットワークサービスプロバイダーのインフラをカバーする幅広いものです。

このように単一ベンダーの幅広い製品群により、導入・運用・管理コストを削減し、TCOを削減することができます。

A10は、5Gインフラに対して独自の競争優位性を持っています。

サービスプロバイダープロダクトのポートフォリオ
高性能VNF
インプロセスでのサービスファンクションチェイニング
VNFスケールアウトクラスタリング
クラウドに最適化されたアーキテクチャ
業界標準のハードウェアサーバー最適化

参考記事

SDxCentral What is IMT-2020: https://www.sdxcentral.com/5g/definitions/what-is-5g/5g-standards/imt-2020
IMT-2020 Home: https://www.itu.int/en/ITU-R/study-groups/rsg5/rwp5d/imt-2020/Pages/default.aspx
SDxCentral: 5G Terms: https://www.sdxcentral.com/articles/news/10-5g-terms-you-should-know/2017/10/
SDxCentral -- 5G Standards: https://www.sdxcentral.com/5g/definitions/what-is-5g/5g-standards
A10 Networks white papers: Modernize Your 4G/LTE Network NOW for 5G Success

こちらの記事にも興味ありますか？

5G・サービスプロバイダー

業種別

製品サポート

製品情報

技術情報